全国都道府県議会議長会主催議員海外視察研修の廃止を求める決議 |
2003年8月31日 |
第10回全国市民オンブズマン大会in仙台 参加者一同 |
現在、全国都道府県議会議長会の主催で慣例的に行われている全国都道府県議員海外視察研修は、地方分権が加速的度的に進められ、自治体間で行財政のスリム化を競わなければならない時代に逆行したものであり、公費のムダ使いといわざるを得ないのが実体です。 一議員平均120万円もの高額な海外視察研修費に対する効果を検証するとき、各自治体における実情と将来に寄与しているかは、はなはだ疑問です。各自治体が抱える重要な課題はそれぞれであり、慣例的に行われている海外視察では課題解決の実効性は薄く、議会活動への反映もうかがえません。視察に名を借りたお手盛り的観光旅行としか見做されず、公金の使途に対する議員の感覚も疑われています。また、96年〜02年の全国都道府県議会議長主催海外視察研修に参加する県議会は、全国といいながら平均7〜9県議会による固定に近い常連県(秋田、新潟、石川、鳥取、香川、徳島、佐賀など)で行われていることが判明しています。旅行社のお膳立てで、なじみの県議会同志の親睦旅行並み海外視察であれば課題解決の使命感もみられず、視察研修報告書に至っては、全国都道府県議会議長会のとりまとめた報告書が配布され、それを理由に佐賀県議会では参加した議員個々の視点に基づく一行の報告すら書かれていません。このことからも、高額な公費を使った一律的な視察研修の意義はほとんど見当たらず、県民からの廃止を求める厳しい意見があって当然と言えます。 県議会議員が国外へまで視察研修を行うにあたっては、県政が抱える重要な課題の調査研修目的を明確にして、各議会が、あるいは第三者機関による海外視察研修検討委員会が独自に企画立案するべきであるのは、県民から指摘されるまでもないことではないでしょうか。独自企画を行っている議会の先進例として群馬県議会、愛媛県議会、鹿児島県議会などがあります。 以上、私たちは、全国の県議会議員海外視察研修を、自立した、もっと実効性のあるものにしていただきたく、全国都道府県議会議長会主催議員海外視察研修の廃止を求め決議します。 |