中国信訪局へのセミナー開催
 情報公開市民センターは8月2日(火)中国の国家信訪局から研修視察団20名の訪問を受け、弁護士会館でセミナーを開催した。
テーマ
1、 「国民の行政に対する是正請求権、被害救済制度」  高橋利明理事長
2、 「市民オンブズマンの活動」  谷合周三東京・市民オンブズマン事務局長
3、 「情報公開市民センターの活動」  黒田達郎理事

 国家信訪局は行政の不正告発や国民から行政苦情処理を行う機関で、訪問団には中央や地方各省からの実務関係の官僚が参加していた。センターからは村越啓雄、鈴木祥宣、石田紀夫も参加した。
 通訳を通しての話であり、政治制度の違う日本での活動実態がどこまで理解されたかは伺い知れないが、活発な質疑応答が続いた結果、セミナーは予定時間を大幅にオーバーした。
 とりわけ興味が持たれたのは情報公開制度、住民監査・住民訴訟制度など。今、日本で大きな話題になっている「談合」が官製談合(行政と事業者間)ではなく民間事業者間の談合であることの説明が必要だったりして、図らずも社会主義と資本主義の体制間の相違が浮き彫りにされた。市民センターなど多くのNPOのスタッフが無償で活動していることにも驚いていた。
 中国では2008年のオリンピックを控え、民主化の進展が急がれており、今回の研修使節団もその趣旨に沿ってきたものと思われる。今回の訪問先は中央官庁や自治体(東京、大阪、福岡)が中心で民間部門では当センターのみであった。民間部門の行政の監視役として市民オンブズマンや市民センターの役割が理解され、多少とも中国の民主化に貢献できたものと期待したい。