第四 その後の改善実例
 幾つかの改善の実例が見られるので列記しておきたい。
1、 ある省から、聞き取り調査後10日程経って電話が入った。「委任機関からの照会で請求者氏名を要求していた点について検討した結果、センターの主張が正当であると判断し、今後、請求者氏名を削除して相談するように指示した。」
 ぜひ、全省庁で同様の処置をとっていただきたい。
2、 ある省庁では情報公開室から原課へ請求書のコピーを送付する段階で請求者氏名・住所・電話番号をマスキングして隠すことにした。開示・不開示の決定の後、通知書を作成する段階で初めて請求者欄を原課に通知する方式である。
 原課が、文書特定などのため請求者に連絡する必要性がある場合にはどうするか。 実際の運用面ではいろいろな工夫も必要となろうが、ここまで徹底した管理をしようとする姿勢は高く評価したい。
おわりに
 当センターは、全国各地の利用者が膨大な情報が集中する中央官庁に情報公開請求することをいろいろな面で支援する目的で設立されたNPO法人である。支援活動とともに、法が適正に遵守して運用されていることを監視し、さらに法の不備を改正することも視野において活動している。
 今般、防衛庁の請求者リストの問題がクローズアップされたことから、これらの活動に加えて、請求者が何者にも妨害されず精神的な圧迫を加えられることことなく、安心して情報公開請求の権利を行使できる状況をつくることの必要性を痛感して具体的な提案を行った。さらに長期的に見て情報開示が効率よく行われる行政側の態勢の確立をも視野においたものとした。
 各省庁においては真摯な検討を加えられて改善に努められるように切望したい。
 多くの省庁で快く聞き取りに応じていただきいたことに感謝したい。また民間の市民団体からこのような改善策を提案することを歓迎するとした省庁も相当数あったことを付言しておきたい。
以上