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第12回口頭弁論は9月1日(月)11時30分から東京地裁606号法定で行なわれました。 出席者 原告側:高橋、羽倉、土橋、谷合の4弁護士 被告側:間史恵氏以下、法務省・外務省・情報公開室関係者12名。 傍聴席:若干名 原告から被告に対して「準備書面(8)は、これまでの被告側の主張で不十分な部分があるので、それを補足するものとして、提出された筈だが、読んで見てもどこが補足されたか分からない。口頭で結構だから、これまでどこが不十分だったのか、どこを補足したのか説明して欲しい」と質問したが、間氏は「外交活動の特殊性、特に非公開活動の必要性を補足した」と述べるに止まる。 更に原告側から本件1千何件の項目についての不開示決定の夫々と外務省審査基準との関係についての主張は行なわないのかとの質問に「被告準備書面(4)20ペイジ以下で行なった」と述べた。しかし、この準備書面は2002年4月のもので、このペイジでは「審査基準の不開示例は、不開示情報に該当する可能性が高いものを例示したのみで、記載事例に該当しないからといって直ちに該当性を否定するものではない」など、一般的、包括的な関係を述べたものに過ぎない。原告の質問は、2002年10月に提出された1,069件に及ぶ個別決裁書との関係を聞いたものである。被告側はもちろん質問の意味を理解した上で、6ケ月も前に抽象的に「審査基準」について触れた部分のペイジ番号を述べたに過ぎない。これを「はぐらかし」という。 質問にはイエスであれノーであれ、質問に沿って真面目に応えるのが一般常識人だ。この裁判を2年を越える長い間傍聴しているが、このような意図した「はぐらかし」の回答がこれまでも頻発されたが、議論のポイントを巧みに外す戦法を取られると「真面目にやれ!」と怒る元気もなくしてしまう。 原告から「主張は終了か」と聞くと、間氏はなにやら不安そうな顔つきになり「原告からの反論、裁判所からの求釈明などあれば主張補完を行なう」という。 裁判長も何時になくキッパリと「不開示理由の立証責任が被告にあることを前提にして、ギリギリまで主張を行ったもので、もうこれ以上の主張は行なえないということか」と確認すると、間氏は、これまた周囲に意見を求める感じだったが、「記載項目の内容については、これ以上の特定した主張は出来ない」と回答した。 被告側の主任弁論者が間氏になって変わったことがいくつかある。まず、準備書面の文章が丁寧に書かれ出したことだ。そして議論の「はぐらかし」などはまだあるが、内心の葛藤が表情に出ることだ。前任の主任弁論者の場合はとても酷かった。論理的に追い詰められると、一層、居丈高になった。その度に「厚顔無恥」という四文字熟語が念頭に浮かんだ。新しい女性主任は、少なくとも厚顔無恥ではなさそうだ。例え立場上は敵味方であっても真摯な姿勢で望む人に、より高い信頼感を持つのは人の情であろう。 次回、12月9日(火)11時30分、606号法廷 |
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黒田達郎 記 |