外務省報償費 情報公開訴訟第6回口頭弁論・傍聴記
上記第6回口頭弁論は6月5日(水曜日)11時より606号法廷で行われました。
出席者は
原告側、高橋、谷合、佃の3弁護士
被告側、野下法務省訟務課付以下外務省等関係者9名、この他傍聴席に若干名

裁判官より原告側に対し、準備書面(3)について陳述を確認。
これに対し被告側は「原告側準備書面(3)に対し一部削除を要請したい。本準備書面は本件争点と関係ないことに徒に紙面を割いており、誹謗中傷的部分がある」と異議を申し出た。
裁判官は原告側に対し「文章の特定の問題を議論していこうというのが焦点である。外務省でこんな事が為されているというのはそれはそれとして、今回 関係ないのではないか」と質した。
これに対し、原告側より「本件には二点問題がある。一つは文章の特定の問題であり、もう一つは、述べられたような事実が存在するからこそ文章の特定の問題が出来ないのだ、だから情報の開示が行われないのだという事である。この二つは正に表裏一体の問題で削除出来るものでない」と陳述。
裁判官は被告側に対し「どこの削除が必要か場所も指定して、削除の必要性を書面で出すように」指示した後、改めて「前回提出された立証作業資料では文書の特定(開示不開示の判断の当否)を行うことが出来ないので、文章の標目、作成者、記載されている外形的事実を特定して再提出するよう」指示。
原告側より、裁判官の指示に対し「前回も同様の指示を頂いたと思うが、被告側は全く無視している。この指示を記録にとどめて頂きたい」と要請、記録にとどめる事が確認された。
原告側より「(前回提出された立証資料は五つの開示請求をつっ込みにしてアットランダムに並べたものであるが)今度提出されるものは本省及び四・在外公館分を区分して提出してほしい」と要望が出された。
次回は7月29日(月曜日)11時30分、606号法廷


コメント

被告側が前回提出した立証資料は、第5回口頭弁論においても、原告側より「こんな簡単なもので何だ」「この程度のものでは主旨に沿っていない」と繰り返し指摘があったが、今回、正式に裁判官より、文章の特定を行うことが出来るものでないとして再提出が指示された事は一つの進展をもたらすのでないかと思われる。
それにしても、本件に関する外務省の対応はあまりにもひど過ぎるというのが原告側の関係者の卒直な感想のようである。
また被告側が一部削除を要求したのは、原告側準備書面(3)で記述されている外務省で行われている諸々の事態(機密費の流用、着服、目的外使用)に関する部分と思われるが、これは「被告側の立証資料が何故ここまでなんだという事を含め反論(被告側準備書面(4)および立証資料に対して)を書面で出すように」との前回の裁判官の指示に沿うものと考えられ、その多くは既にマスコミ等で明らかにされているものである。

情報公開市民センター 今西元郎 記