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第16回口頭弁論は2004年7月7日、午前11時30分から第606号法廷で開催された。 原告側:高橋 羽倉 土橋 谷合の4弁護士 被告側:法務省、外務省情報公開室など約10名 傍聴者:センター相談員他 経緯
口頭弁論 裁判長は文書が一部開示されたことを受けて原告に対し書面で一部取り下げを行うように指示した。双方ともに各提出された主張等に対して反論を準備することになった。 本日、外務省から提出された意見書は6月30日にセンターが行った「不開示処分を行ったすべての文書についての検証」の申し出は「インカメラ審理」を求めるもので不適法であるとの主張であった。 その拠りどころとして被告が挙げた資料は吉村徳重ほか編・注釈民事訴訟法(7)、伊藤真・民事訴訟法(第3版)、など10にも及ぶ。主張の基礎を畠基晃氏の「情報公開法の解説と国会論議」、北沢義博氏の「情報公開法解説」にある「情報公開訴訟にインカメラ審理を導入するためには、憲法第82条に抵触しないとも理論構成を確立しなければならないし、あるいは、憲法第82条に抵触しないような形で導入を図るように工夫しなければならない」に置いている。第82条というのは「裁判の公開」である。しかし、この引用文をよく読めば明かなように、両氏は憲法に抵触すると言っているのではなく、抵触しないとの理論構成をすべきだ、工夫すべきだと言っているのであって「きちんと理論構成をし、工夫をすれば憲法第82条には違反しない」と暗示しているのだ。憲法第82条は第2項で「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある」場合は「公開しない」ことを認めている。 そもそもテーマが特定文書を公開すべきかどうかの判定なのだから、判定の前に公開すること自体が不合理であり、このようなことをすれば広い意味で「公の秩序」を害するとも言える。被告は文章を引用しながら、その文書の言っていないことを主張しているごまかしの理屈としか言いようがない。焦点はいよいよ「インカメラ審理」に移ってくる。 |
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(黒田達郎 記) |