|
|
第19回口頭弁論は2004年12月22日午前11時30分から第606号法廷で行なわれた。 原告側:高橋、谷合弁護士 被告側:法務省、外務省情報公開室など8名 傍聴者:センター相談員ほか数名 原告の提出書面 証拠説明書(甲71)大阪高裁口頭弁論調書・実質インカメラ手続分 検証申出は却下 原告が6月30日提出した検証申出書、実質的なインカメラ審理の申出が昨日、12月21日付けで却下された。 →決定書(インカメラ審理却下12・21) 口頭弁論 冒頭、却下決定に対して独立して不服申立を行なうかどうか、裁判長が原告に対して確認した。原告は、独立不服申立は検討していないが補充ないしはまとめ的な書面を準備したいと述べた。 続いて裁判長は被告に対して「被告に不開示事由の主張立証責任があるが、これを踏まえて、さらに立証する積りがあるのか、もう十分に立証責任は足りているということでよいか、立証の補充をするのか」との質問があった。被告は「そういうことでよい。立証の補充は考えていない」と回答した。これで、今後、少し時間を掛けて双方で補充またはまとめの書面を準備することとなった。 次回期日 2005年2月24日(木)午後2時30分 606号法廷 コメント 1、検証の却下理由は不可解 却下理由を簡単にいうと「裁判所で検証結果を調書に書くが、原告はそれを閲覧したりコピーを取ったり出来るので、開示したと同じことになる」ということである。この却下理由は法律手続きのプロでない筆者にとっては全く不可解である。 当然ながら「検証調書」と「対象文書」は別物である。仮に不開示事由に該当する記述が対象文書の中にあったとしても、その記述をそのまま書く必要はない。不開示事由に該当することが分かる程度に抽象的な記載をすれば足りる。もし、そのまま書いたとしたら、それは「対象文書の写本」であって「検証調書」ではない。 被告は10月25日の準備書面で「不開示情報が原告に明らかになることを避けるには、検証調書において当該検証となった文書の記載内容について一切触れないこととするしかない」と書いていたが、今回の裁判所の決定も根は同一である。被告と裁判所は検証調書には「記載内容に一切触れない」か「記載内容の写本を作る」かの二者択一しか考えていないのである。情報公開訴訟の場合、第三の「記載内容を抽象的に表現する」という選択肢があると考えるのが一般常識であろう。 2、どうなる判決? 次回期日に結審の見込みだ。それにしても、今回もまた、裁判長は「被告に立証責任があるのだが、これで十分に立証責任を果したと考えているか」と被告に対して念を押していた。傍聴席から見ていると、何度も「立証が不十分だよ。貴方の側に立証責任があるから、もっと証拠を出しなさい」と言っているように聞こえる。被告は「もう出すべき証拠は何もありません」というのだから、裁判の流れからいうと原告勝訴の可能性が高いような印象を受けるのだが…。 |
|
(黒田達郎記) |