年金積立金 運用委員会 配布資料ほとんど非公開
年金積立金 運用委員会 資産構成変更時議事録多くが非公開

約130兆円の公的年金(厚生年金保険及び国民年金)積立金を管理運用している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は2014/10/23に第86回運用委員会を開き、資産構成を株の占める割合を増やしました。
どのような議論を経て株式割合を増やしたのか知ろうとしましたが、運用委員会について、概要はwebに掲載されていますが、詳細な議事録は載っていません。
http://www.gpif.go.jp/operation/committee/h26.html

NPO法人 情報公開市民センターは、GPIFの14/10/23運用委員会議事録、web不掲載資料、録音を15/3/13に情報公開請求しました。しかし、当時は議事録が完成していませんでした。
http://ombuds.exblog.jp/21816461/

議事録が完成したので再度情報公開請求し、2015/7/21に開示決定されました。
・決定書 http://www.ombudsman.jp/data/150721.pdf
・開示文書 http://www.ombudsman.jp/data/141023giji.pdf

開示された議事録は、発言者氏名が消されていました。また、内容の多くも消されていました。

なお、以下記載がありました。参考になれば幸いです。(前後が黒塗りのため、どのような文脈か不明)
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●三谷理事長 これは私の全く個人的な意見ですけれども、世の中の人は皆さん国債というのはリスクフリー資産で安全だというふうに思っておられるけれども、これから金利が上がっていくこと、その可能性が非常に高いことを考えると、そのときには非常に大きな損失というのが発生するということを説明するのが一番わかりやすいのかなと。
●三谷理事長 もちろんそうなのですけれども、ただ、長期金利は、今、日銀がああいうことをやっていますから、特段大きな変動はないわけです。けれども、あれのたがが緩んでくれば、経済の立て直しが行われれば、一般的には名目成長率プラスマイナスαくらいというところまで行くと言われていますので、そういった意味でいけば、今回の想定にあるような3%くらいというのは十分視野に入ると。数字を申し上げてもあれですけれども、私どもの資産が仮に100%全部国債であったとすれば、今の国債の期間構成に従って持っていると仮定しますと、1%上昇すれば10%の評価損が出ます。ということは、今、0.5%弱ですから、3%近くまでいくということは、約25兆円損失が出ると。
株の場合は行ったり来たりですから、下がっても上がることはあるのだけれども、国債の今の金利というのは、歴史的にみても異常な低金利ですし、今後ずっと上がっていって、また下がっていくとか、こういうことは余り考えにくいですから、そういった意味では、国債のウェイトをある程度減らすことはいたし方ないだろうというふうに説明するのが一番わかりやすいのかなと思います。



年金積立金 運用委員会 配布資料ほとんど非公開
約130兆円の公的年金(厚生年金保険及び国民年金)積立金を管理運用している 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は2014/10/23に第86回運用委員会を開き、 資産構成を以下のように変更しました。
      現行  変更後
 国内債券 60%  35%
 国内株式 12%  25%
 外国債券 11%  15%
 外国株式 12%  25%
 短期資産  5%

どのような議論を経て株式割合を増やしたのか知ろうとしましたが、運用委員会について、 概要はwebに掲載されていますが、詳細な議事録は載っていません。
http://www.gpif.go.jp/operation/committee/h26.html

NPO法人 情報公開市民センターは、GPIFの14/10/23運用委員会議事録、web不掲載資料、 録音を15/3/13に情報公開請求しました。
【議事録】
 作成中のため不存在
【web不掲載資料について】
 ・座席図の法人職員氏名は法第5条1号に該当するため不開示
 ・基本ポートフォリオの変更については、基本ポートフォリオの策定過程が公になった場合、   それを知ったものが当法人の投資行動を予測して利用し、利益を得ることなどにより、   当法人の企業経営上の正当な利益を害するおそれがあることから、法第5条第4号トに   該当するため不開示
 ・運用の高度化に係る対応状況については、委託先の選定理由が公になった場合、   今後の選定において、それを知ったものが応募して不当に選定される等、選定の公正性に   影響を及ぼし、当法人の企業経営上の正当な利益を害するおそれがあることから、   法第5条第4号トに該当するため不開示
 ・リスク管理状況等の報告については、当法人のリスク管理状況が公になった場合、それを知った   者が当法人の投資行動を予測して利用し、利益を得ることなどにより、   当法人の企業経営上の正当な利益を害するおそれがあることから、法第5条第4号トに   該当するため不開示
【録音】
 ・運用委員発言部分については、当該音声が公になった場合、公開されている運用委員会名簿、   発言内容等と突合することにより、個人を特定できるおそれがあることから、法第5条第1号に   該当するため不開示。
 ・事務局発言部分については、当法人の運用の考え方及び方針が公になった場合、それを知った者が   当法人の投資行動を予測して利用し、利益を得ることなどにより、   当法人の企業経営上の正当な利益を害するおそれがあることから、法第5条第4号トに   該当するため不開示

・決定文書
 http://jkcc.gr.jp/nenkin/150512.pdf
・web不掲載資料
 その1 http://jkcc.gr.jp/nenkin/141023-1.pdf
 その2 http://jkcc.gr.jp/nenkin/141023-2.pdf
・録音
 http://youtu.be/ENwx-s5lC3U

議事録については6カ月もたっているのにまだできないのかと問い合わせしたところ、 ・運用委員会議事録作成及び公表要領にもとづき、7年を経過した後公開予定である。
 http://www.gpif.go.jp/public/committee.html
 当該議事録については様々な議論がなされ、委員に確認するため現在作成中である。いつできるかははっきりしない。できても特に発表するものではない。  できたかと聞かれればその時点でできたかどうかは回答する
と言われました。
2015/5/22にGPIFに確認したところ、ようやく議事録ができたとのこと。 議事録を情報公開請求しました。

公表要領に基づき7年も非公開にするというのは無責任体質です。しかも、配布資料も重要なところが非公開でわかりません。各種ポートフォリオのシミュレーション内容、資産ごとのリスク評価、資産管理機関の格付変更状況、運用資産全体の収益状況などが黒塗りです。 また、経済環境コンサルティング業務、公的年金積立金・資産財政統合リスク分析についての調査研究業務、年金積立金管理運用独立行政法人におけるスチュワードシップ責任及びESG投資の在り方についての調査研究業務を業者に委託した際の選定理由も非公開です。


今後も注目していきたいです。



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