訴  状(ひな型)
(このサンプルは訴状のひな型としてだけ参考にしてください。)
平成XX年X月X日
○○地方裁判所 御中
原 告   ○ ○ ○ ○           
〒xxx−xxxx ○○市○○区○○町XX番地
                                          原    告    ○ ○ ○ ○
〒100−0013 東京都千代田区霞ヶ関XX−X−X
                                          被    告    ○○大臣○○○○
行政文書不開示処分取消請求事件 

  訴訟物の価格  金95万円

  貼用印紙額   金8200円

請求の趣旨
1 被告が、原告に対し、平成XX年X月X日付けで行った「○○省大臣官房で平成XX年X月及びX月に支出された報償費に関する支出証拠、計算証明に関する計算書等支出がわかる書類」の不開示決定処分を取り消す。 
2 訴訟費用は被告の負担とする。
との判決を求める。
請求の原因
第1 原告の情報公開請求と被告の不開示決定処分
1 原告は、平成XX年X月X日、被告に対し、情報公開法第3条に基づき、請求の趣旨記載の行政文書(以下「本件文書」という)の開示請求を行った(甲1号証)。
2 しかるに、被告は、平成XX年X月X日到達の不開示決定通知書をもって、全面不開示処分(以下「本件処分」という)をなした(甲2号証)。
3 上記不開示決定通知書には、不開示の理由について、情報公開法第5条1号、同条6号ハに該当するとして、以下のとおりの記載があった。 
ア 個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名その他の記述により特定の個人を識別できる(法5条1号)。
イ 公にすることにより、国の調査研究に係る事務に関し、その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそれがある(同条6号ハ)。
第2 本件処分の違法性について
 被告が挙げる非開示の事由は、本件文書には当てはまらない。その理由は以下の通りである。
1 法5条1号の事由(個人情報)の非該当性
法が行政文書に記載されている個人氏名を非開示事由としたのは、個人のプライバシー保護のためである。公金の支出決済文書に公務員氏名や民間人の個人氏名が記載されていても、その開示は、一般的にはその個人のプライバシーを侵害することにはならないとされている。これは、地方自治体の情報公開訴訟判例の積み上げによって確立された情報公開の基本原則の一つである。
 原告の請求に係る本件文書に個人の氏名が記載されているとすれば、それは外務省大臣官房から支払われた謝礼・費用の受取人、あるいは懇談会等への出席者・参加者の氏名である。
 かかる場合には、その氏名を開示しても、その個人のプライバシーを侵害することにはならないから、法5条1号の規定上も開示をなすべきである。かりに、請求に係る文書中に、同条項の規定上から非開示にできる部分が存在したとしても、他の記載部分は開示できる(法6条)のであるから、5条1号を理由にして全面非開示とすることは許されない。
2 法5条6号の事由(行政運営情報)の非該当性
 原告の請求に係る行政文書に記載されている情報は、懇談開催の費用のほか懇談会等の開催日時や会場等懇談の外形的事実に関するものであり、あるいは懇談の相手方氏名や謝礼・報酬などの支払先の相手方氏名である。それゆえ、その情報を開示しても、そのために「国の調査研究に係る事務に関し、その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそれ」はない。本件においては、相手方の個人氏名等を除いて開示することもできるのであるから、一層全面非開示の事由はなくなるので、本件処分は明らかに原則開示の法の規定を逸脱した処分である。
第3 むすび
 以上の通り、本件不開示処分が違法であることは明らかであるから、本件処分の取消を求めるため本訴を提起した次第である。

証 拠 方 法
1,甲1号証    行政文書開示請求書
2,甲2号証    不開示決定通知書

添 付 書 類
訴状副本          1 通
甲号証写し         各1通