1,はじめに |
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9回目の情報公開度ランキングを発表します。過去の調査と同様、今回も全国市民オンブズマン連絡会議に所属する全国のオンブズが地元自治体に対して行った情報公開請求に基づく資料を基礎とし、これに各自治体に情報公開条例の運用の実態を直接問い合わせた結果を加味して評価しました。各地のオンブズによる情報公開請求は一部を除いて2004年の11月に実施しました。評価対象自治体は47都道府県、13政令市のほか、地元の各市民オンブズが任意に情報公開請求した23の市です。
評価の基準は全国市民オンブズマンのメンバーによる第9回ランキング判定委員会によって作成され、これに基づく資料の評価と調査は名古屋にある全国事務局のメンバーが担当しました。今回も、全国市民オンブズマン連絡会議に加盟する50を越えるグループとそのメンバーが参加しました。
なお、今回はA4のコピー用紙と警察官の制服の入札予定価格の落札率の調査もあわせて行いました。いわば情報公開度ランキング調査の副産物ですが、今後の市民オンブズの活動に重要な示唆を与えるものでもあります。これについては本文末尾をご覧下さい。
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2.評価項目・採点基準等 |
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評価の項目は例年通り、文書の公開(透明)度と制度運用状況からなります。 |
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評価対象項目 |
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今年の特徴として、公開請求の実施機関の範囲を広げた点が挙げられます。透明度の評価項目で首長部局の情報に属するのは、交際費とA4コピー用紙の入札情報(一部の自治体では警察官の制服も)の情報だけで、それ以外は議会(政務調査費)、公社(住宅供給公社*注1)、県警(警察官の制服、捜査報償費**注2)を実施機関とする情報としたのです。この「モデルチェンジ」は、首長部局の情報と比較して、それ以外の実施機関の情報の透明度が見劣りする傾向にあることを意識した結果です。私たちが全国大会でしばしば問題提起してきたように、情報の透明化の遅れはとりわけ、政務調査費情報と県警情報で際だっています。このような状況から考えれば、自治体の情報公開度の判定を首長部局の情報の透明度を中心として評価することは実態を正確に反映するものではないと言えます。そこで今回はあえて透明度の低い政務調査費情報と県警情報の比重を上げた評価をしたわけです。
この結果、定点観測的に調査をしている項目は交際費の相手方情報だけとなりました。これは最高裁判決の悪影響をチェックする意味もあります。また、今年は公社の情報として昨年の土地開発公社に代わり、住宅供給公社の取得土地についての情報を対象としました。
上記透明度の項目に制度運用項目としてコピー代を加え、閲覧手数料を徴収する場合を失格扱いとしたことは例年通りです。
*注1:公社情報に関して、都道府県では石川県、13政令市では札幌、仙台、さいたま、千葉、広島、それに23の市は住宅供給公社ではなく、土地開発公社の保有土地情報で評価しました。
**注2:当方の情報公開請求が2005年2月となってしまったために、県警の捜査報償費の情報が採点に間に合わなかった沖縄県については、2004年4月8日に公開請求して得た資料をもとに採点しました。
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(2) |
文書の公開(透明)度 |
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47都道府県の公開度の評価対象情報と配点は次の通りです。 |
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首長、部(局)長交際費の相手方情報(15ポイント) |
A |
議会の会派の政務調査費の情報(30ポイント) |
B |
A4コピー用紙と警察官の制服の入札書類の予定価格情報(20ポイント) |
C |
住宅供給公社の取得土地に関する情報(30ポイント) |
D |
2000年度と2003年度の県警の捜査報償費の支出に関する情報(30ポイント) |
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(合計得点125ポイント) |
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県警のない政令市、その他の市についてはBのうち警察官の制服情報(10ポイント)とD(30ポイント)をはずし、透明度の満点を85ポイントとして評価しました。
評価方法は、単に公開、非公開のみの判断だけではなく、どこまで詳細に情報が公開されているか、という、公開請求をした市民の観点からみた情報の量と質に着目しました。そのため、情報が全面的に公開されていたとしても、文書中の記載内容が乏しい場合には得点が伸びないという結果も発生しました。
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(3) |
制度運用 |
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評価項目はこれまで同様コピー代だけとし、A4判1枚を基準としました。(30ポイント)
閲覧手数料を徴収する自治体は「失格」として順位をつけないことも例年通りですが、「失格」となったのは東京都だけでした。
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(4) |
総合ポイントと配点 |
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その結果、都道府県については合計155ポイントを満点とし、それ以外の自治体に関しては115ポイントを満点として、それぞれ100点満点に換算して得点を決定しました。 |
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3.調査日時、方法 |
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一部の自治体を除き、昨年(2004年)の11月29日に全国市民オンブズマン連絡会議に所属する各地のグループが自治体宛に情報の公開請求を実施し、開示された資料に追加調査結果を加味して一次評価を行いました。主な追加調査事項は、交際費支出の相手方情報の公開基準の有無、予定価格を公表する運用をしているか否か、警察官の制服の入札情報について、積算資料も公開しているか、という点です。
一次評価をした段階で、その評価を各自治体に送付し、3月7日を期限として自治体の意見を聴取したうえで、最終的な評価を決定しました。
各項目の採点基準の詳細は、別紙の採点基準表をご覧ください。
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4.調査結果 |
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全体の傾向 |
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1位は岩手、宮城両県、最下位は福岡県 |
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1位は岩手県と宮城県、最下位は福岡県でした。奇しくも知事さんが全国知事会の会長の座を争った岩手県と福岡県が一位と最下位に明暗を分けた結果です。少なくとも、全国知事会の会長選挙では自治体の情報公開度は重視されなかったのでしょう。
3位には昨年1位の鳥取県と長野県が入っています。こうしてみると、上位には改革派と呼ばれる知事の県が並んでいます。鳥取県がV2を逃したのは、政務調査費情報と県警の情報の公開が貧弱だからです。反対に長野県は他の自治体と異なり、政務調査費のポイントが全体の順位を上げています。長野県はことある毎に議会の多数派と知事の見解が対立するようですが、議会の透明化をはかる鍵は、実は首長と議会との緊張関係にあるかもしれません。
しかし上位の自治体をみても、各部局それぞれにバランスよく情報を公開している自治体はありませんでした。今回際だって非公開が目立ったのは、議会会派の政務調査費情報と県警の捜査報償費の情報です。議会情報と警察情報が自治体の情報公開を妨げている最大の課題であることが改めて浮き彫りになりました。
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A |
政令市について |
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13政令市では、大阪市の最下位、北九州市の12位が指定席化しています。大阪市は職員互助会への多額の補助金の支出が問題とされている渦中の自治体です。かつて首長交際費の支出額も全国一位とされた自治体でもあります。非公開の陰に腐敗あり、という言葉は今年は大阪市と各地の県警のためにあるような気がしてなりません。
それ以外の政令市についてはほぼ横並び状態ですが、札幌市だけは政務調査費の公開度が上がっています。これは後に述べる、札幌高裁判決の影響が大きいのではないか、と思えるのですが、他の自治体の会派もぜひこの傾向は見習うべきです。
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交際費情報 |
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@ |
調査の趣旨と対象情報 |
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対象情報は「2004年8〜10月に支出した首長交際費と部長(局長)交際費に関する支出金調書、現金出納簿またはこれに類する文書」です。
首長交際費は第2回ランキング調査から連続して評価項目としています。今回のランキングでも、部(局)長交際費の相手方の開示度を資料に加え、首長、部(局)長交際費のうち、公開度の低い方を得点とすることにしました。
また、今回は例年に比較してやや厳密な評価をしました。情報自体は全面公開でも、交際の相手方全員が文書に記載されていない例(東京都など)については低い評価となりました。また、手みやげや記念品の購入についても、これら記念品等の交付先情報が文書に記載されていない場合や公開された資料からはわからない場合には、他の情報が公開されていても部分公開としました(福島県など)。
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A |
最高裁判決の悪影響 |
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2001年3月27日の悪名高き最高裁第三小法廷判決の基準によった公開をした場合、おおよそこのランキング調査では「非個人の一部の公開(個人の一部公開も含む)」の2ポイント、となると思われます。2ポイントしかとれなかった自治体は一昨年が山形県・茨城県・静岡県・石川県・奈良県・福岡県・鹿児島県の7県、昨年が山形県、静岡県、奈良県、島根県、福岡県、鹿児島県の6県で、今年は静岡県、奈良県、島根県、福岡県の4県に減りました。すこしずつ、公開度が上がっています。最高裁判決の悪影響はまだ小さい、と言って良いと思います。ちなみに、昨年2ポイントの鹿児島県は全面公開に、山形県も12ポイントを獲得しています。こうなると、最後まで交際の相手方を公開しない頑迷な知事さんがいるのはどこか、逆に興味が出てきます。 |
B |
全面公開の自治体数 |
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「病気見舞いの相手方氏名」の全面公開(15ポイント)をした自治体は昨年は19道府県、「病気見舞いについて場合によっては非公開にすることがある」(12点)という自治体は、16都府県でした。今年は、というと、15ポイント獲得した自治体数は19道府県(北海道、岩手県、宮城県、秋田県、茨城県、栃木県、埼玉県、千葉県、神奈川県、福井県、三重県、京都府、和歌山県、鳥取県、徳島県、佐賀県、熊本県、宮崎県、鹿児島県)で数自体は変化はありませんが、石川県、山口県がポイント数を落とし、宮崎県、鹿児島県が新たに15ポイントを獲得しました。12ポイントを獲得した自治体数も16(青森県、山形県、新潟県、富山県、石川県、山梨県、長野県、愛知県、滋賀県、大阪府、兵庫県、岡山県、広島県、香川県、愛媛県、大分県)で、山形県、新潟県、石川県、兵庫県が新たに12ポイントになりました。昨年の12ポイントから落ちたのが、東京都、高知県、沖縄県、逆にポイント数を上げたのが宮崎県(15ポイント)です。去年よりも評価を落とした自治体があるのは、今年は評価をやや厳しくしたことに原因します。また、石川県は去年は病気見舞いの支出がなく、アンケートでは「病気見舞い」を全面開示すると回答していたのですが、今回は病気見舞いを3件すべて非公開にしてきました。事情を聞いたところ、去年の回答は「担当者の勘違い」で、「病気見舞い」は公開しない、という今年の運用が真の運用、とのことでした。しかし、実際の情報公開の運用に勘違いがあってはいけません。重要なことですから、県庁全体でもういちど運用方針について徹底していただきたいと思います。 |
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(3) |
政務調査費 |
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@ |
調査の趣旨と対象情報 |
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対象情報は「2003年度政務調査費収支報告書及びその添付書類(活動報告書、領収書、視察報告書等)」で、議長宛に公開請求しました。
政務調査費とは会派または議員の調査活動のための費用で、交付の対象、額、交付の方法を条例で定めた場合に支給できる、とされているものです。地方自治法の2000年の改正で定められたのですが、それ以前も「調査研究費」等の名で議員に補助金として支給されていました。しかし、その時代から使途がほとんど明らかにされていなかったため、議員の「第二給与」との疑惑が指摘されていた問題のあるものです。このような批判を受けてもなお、都道府県や政令市などの多くでは、十分な情報が公開されないため、実際に政務調査目的で使ったものかどうかを県民、市民が十分にチェックできない状態が続いています。これは当該自治体の政務調査費条例や規則が、政務調査費を何に使ったかについての詳細な報告を不要としていたり、支出の根拠を示す領収証等を議長宛に提出する必要がない、と定めていることなどが原因となっています。つまり、議会や議長が情報公開条例の実施機関とされていても、領収証は実施機関が保管していないから条例の対象文書ではない、とされたり、詳細な報告書そのものが存在しないなど、政務調査費の文書そのものが不透明なバリアで守られているのです。しかも、不透明なバリアとなりうる定めは、都道府県や政令市などそれ以外の自治体と比較して格段に多額の政務調査費を支給している自治体の政務調査費条例や規則に多く見られることも特徴的です。本来は多額の政務調査費が支給されればされるほど、使途の透明性を確保することが必要になるはずですが、現状では、政務調査以外の目的での支出が増えるから使途に関する情報を透明化できないのだ、という疑いが払拭できません。
このように問題の多い政務調査費については2002年の第9回大会から昨年2004年の第11回大会まで3年連続で調査してきましたが、今回は情報公開度ランキングに取り入れました。公開が遅れた分野であるからこそ、情報公開度ランキングの評価の項目として避けて通ることができない、と考えたからです。
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A |
評価の方法 |
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公開された文書をもとに、@)どの程度活動内容や成果について報告されているか。A)収支明細書がどの程度詳細に書かれているか、B)領収証などの証拠書類が添付されているか、C)視察報告がどの程度詳細になされているか、について調査、判定しました。したがって、情報が全面公開されていても、記述の内容が貧弱な場合には低い評価となっています。 |
B |
調査の結果 |
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情報公開の名に値しない、と言えるほど低調です。領収証を公開する都道府県は岩手県、長野県、京都府だけ(高知県も1人1件5000円以上の食糧費、1件10万円以上の委託費を支出した場合には領収証を添付することになっていますが、基準が緩すぎて実際には領収証の添付がないので0評価としました。)。政務調査費を用いた視察について報告書を公開しているのは長野県だけ、というありさまです。36の都道府県では活動成果すら公開していません。
公費を用いて行った政務調査活動をこれほどまでにひた隠しにする合理性は全くありません。政務調査費は機密費ではないのです。公費である以上、調査の成果や支出の根拠資料の提出が必要なことは当然のはずです。にもかかわらずこれらを公開しないでも良い、とする条例を設けること自体、議員の特権意識や甘えの現れ、というほかないでしょう。
この非公開状況に風穴をあける判決が、昨年(2004年)10月20日、札幌高裁で出されました。政務調査費はあくまで会派の調査活動にのみ使わなければならない、ということを前提として、会派の政務調査に使ったことを証明しなかった会派に政務調査費の返還を命じたのです。私たちの常識にはきわめて適合する判決ですが、この判決は、いままでのように、政務調査費の使途を説明せず、支出内容を隠すことが許されないことを明らかにしたとも言えます。非公開にあぐらをかくことはこれからは許されないのですよ。議員さん!
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(4) |
入札予定価格情報 |
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@ |
調査の趣旨と対象情報 |
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A4コピー用紙の購入契約(本庁契約分複数の部局で契約していればいずれか1部局対象)、と警察官の制服の入札情報を調査しました。前者の実施機関は首長、後者については入札業務をすべて知事部局で行っているいくつかの自治体を除き、県警本部長宛てに請求しました。
物品の予定価格をはじめとする工事以外の予定価格については、いまだに、談合を助長する、との理由で公表に消極的な自治体が存在します。しかし、このような考え方は地下鉄車両の予定価格の公開を命じた2004年8月30日の名古屋地方裁判所の判決で否定されています。だいたい、予定価格公表が談合を助長する、というのなら、なぜ工事の予定価格については2001年の閣議決定で公表すべし、とされたのでしょうか。むろん、予定価格を公表すれば談合が防止できる、というほど単純ではないにしても、予定価格が公表されることで、落札率を市民、県民がチェックすることが談合を監視するために役立つことは明らかです。そこで、去年に引き続き、A4コピー用紙の購入契約の予定価格を調査したわけです。また、最近、警視庁発注の道路標識の工事と交通信号機の設置・回収工事の談合が明らかになり、公正取引委員会が課徴金納付命令を出し、警視庁が談合業者に損害賠償請求しました*注。警察も談合疑惑から例外ではありません。そこで、警察官の制服の入札に対する談合疑惑も調査するため、今回はじめて都道府県の警察官の制服の予定価格も調査しました。
*注:道路標識の工事:2004年11月1日に総額約16億円の損害賠償請求。交通信号機の設置・改修工事:2005年1月11日に総額約9億7000万円の損害賠償請求。
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A |
評価の基準 |
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予定価格を情報公開条例による公開請求によらなくても公表している場合には高い得点(8ポイント以上)が得られることとし、そのうち予定価格の公表時期が入札前の場合には最も透明度が高いとして、満点の10ポイントを配点しました。
なお、物品購入について鳥取県は、予算額500万円以上については公開請求によらなくても開示するが、500万円未満は情報公開制度による請求が必要、という運用をしていました。今回のランキングでこの運用が該当するのは警察官の制服についてでしたが、これについては7点を配点しました。
また、警察官の制服について、複数の種類の制服(上着、ズボン、シャツなど)を一括で入札している場合に、積算根拠となる個々の衣類の価格までも公開するかどうかで差を設けました。上着やズボンなど、種類や価格が大きく異なる物品についての予定価格が公開されるか否かも談合の防止や不当な価格形成をチェックするために必要であると考えたからです。
これに関して、請求段階で積算根拠まで公開してほしい、と言われなかったことを理由に、当初は積算根拠となる個々の衣類の予定価格を公開してこなかった自治体も複数ありました。このような自治体に対して第一次採点で、「物品を合計した予定価格のみがわかる(3ポイント)」とする低い評価をしたところ、これらの自治体からは、一時採点に対して、請求されれば当然に個々の衣類の予定価格も公表したのだ、という抗議を受けました。その結果、そのような自治体については、請求すれば積算根拠がわかることを重視し、「積算根拠(予定価格の内訳)を知ることができる(6ポイント以上)」という評価に訂正しましたが、わざわざ積算根拠も公開してくれ、と窓口で請求しなくても、積算根拠まで公開している自治体も複数あることも事実です。また、情報公開の担当者から請求時に窓口で「積算根拠も必要ですか」と言われても、直ちに内容を理解できないことも多々あります。言われなければ公開しない、という姿勢は、少なくとも行政の説明責任の観点からは疑問があることを指摘したいと思います。
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B |
調査の結果 |
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T) |
予定価格の事前公表について |
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昨年の調査同様、A4用紙についても、警察官の制服についても事前公表制度を設けている自治体はありませんでした。ただし、A4コピー用紙については情報公開請求をしなくても良い、という自治体が昨年の3県(宮城県、鳥取県、山口県)から8県(宮城県、茨城県、大阪府、鳥取県、山口県、徳島県、香川県、佐賀県)に増えました。すこし情報公開がすすんだ、と言えるでしょう。 |
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U) |
予定価格の公表について |
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予定価格を全く公開していない自治体は昨年調査では31もありましたが、今回の調査では予定価格を全く公開していない自治体の数はA4コピー用紙で16、警察官の制服で24に減りました。このうち、A4コピー用紙については予定価格を公開する、としていながら、警察官の制服の予定価格を全く公開しないという県は、秋田県、茨城県、群馬県、埼玉県、千葉県、静岡県、三重県、高知県の8県です。非公開の理由はいずれも「県の財産上の利益を不当に害する」というものですが、それではなぜA4コピー用紙の予定価格を公開しているのでしょうか。予定価格を公開することで談合疑惑が指摘されることをおそれた結果のような気がしますが、仮にそうでないとしても、警察関係の情報の非公開が常体化していることを示す例であることは間違いありません。
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(5) |
住宅供給公社 |
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@ |
調査の趣旨と対象情報 |
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情報公開対象情報は「2004年3月末日現在の住宅供給公社の保有土地一覧表 (地番、面積、契約年月日、取得価格、支払利息がわかるもの)」とし、地番ごとの取得価格がわかるか、事業ごとの支払利息がわかるかを評価対象としました。
昨年は土地開発公社の事業用地についての情報を対象としましたが、今回は土地開発公社、地方道路公社と並ぶ地方三公社の一つ、住宅供給公社の保有土地を対象としました。
ところで、住宅供給公社は自治体が全額出資して設立した法人で、ニュータウンの開発や宅地分譲、賃貸住宅の供給を行っています。地価下落で多額の含み損を抱えた不健全な経営を行っている公社も珍しくなく、売れるあてのない土地を抱えて破産状態に陥っている公社も現れています。そこで今回は、地方財政の圧迫要因になりうる住宅供給公社の保有土地を対象として、不当に高い価格で公社が土地を購入していないか、また金利を含む経費を公社がどの程度負担しているか、といった点に着目し、公社の財務内容がどの程度明らかにされているかについて調査しました。
なお、石川県は住宅供給公社の保有土地がなかったため、土地開発公社の保有土地情報で評価しました。13政令市では札幌、仙台、さいたま、広島は住宅供給公社がないため、千葉市は住宅供給公社の保有土地がなかったため、それぞれ土地開発公社の保有土地を対象としました。
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A |
評価の基準 |
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原則として住宅供給公社に情報公開請求をし、入手した資料をもとにしましたが、規定、要綱もない場合には、首長宛に請求しました。昨年の土地開発公社に対して評価したことと同様、透明度とは別に、規定、要綱を有しているか(3ポイント)、各自治体の情報公開条例で土地開発公社を実施機関としているかどうか(10ポイント)でポイントを加算しました。条例の実施機関であれば、非公開処分を争う訴訟を提起できることなどを評価した結果です。
地番の評価については表示された地番から、当該事業で取得した土地がある程度特定できれば3ポイントの評価をしましたが、取得価格については、取得価額の適正さを判断できるかどうか、という観点からやや厳しい評価をしました。
支払い利息については、2002年度以降、全国的に公社の経理基準が見直されたことに対応して、土地の評価を実勢価格で行うようになったため、支払い利息を価格欄に記載していないのだ、と説明する公社もいくつかみられました。これらの公社については、土地の買い受けのために銀行から資金の融資を受けている場合の金利がどのように表現されるかを尋ね、何らかの形で金利の負担額がわかるかどうかで評価しました。また、住宅供給公社としての事業は終了し、現在金利を負担しておらず、将来的にも土地を取得する予定はないから金利発生の余地はない、という公社(三重県)については、金利の記載がなくても、金利については「支払い利息がわかる」という評価をしました。
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B |
調査結果 |
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@) |
条例の実施機関化について |
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昨年土地開発公社で調査した際は、公社を情報公開条例の実施機関としていたのは都道府県では鳥取県と岡山県の二県、政令市では福岡市だけでした。今年の調査でも公社を実施機関としている都道府県は二県にとどまりますが、宮城県、新潟県、和歌山県、大阪府、佐賀県の5府県から、2005年4月1日より公社を条例対象とする、という回答がありました。情報公開請求時の制度運用で採点するので点数には反映させることができませんが、次に繋がる良い傾向と言えます。
逆に、2003年度決算の段階で、債務超過額ワースト3の北海道住宅供給公社(債務超過額659億円)、千葉県住宅供給公社(同401億円)、長崎県住宅供給公社(同127億円)がいまだに条例の実施機関となっていないのは問題です。行政に危機感がないのでしょうか。
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A) |
透明度について |
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地番ごとの取得価格がわかる場合には満点の7ポイントを配点しました。ただ、数筆の土地について一括で売買価格の記載がなされている場合でも、その内容から各地番に適応した取得価格が推定できる場合は、「各地番に対応した取得価格がわかる」との評価をしました。
支払い利息がわかる場合には10ポイントを配点しました。
2002年度以降、土地の評価を原価計算方式(積上げ)から実勢価格へ変更したことを理由として、支払利息を算出していない、という自治体も多くありました。しかし、支払利息が不明な場合には、公社経営の健全性や公社の土地売買に関わる適正を市民から判断することができない点では不十分と考え、利息の記載がない場合には低い評価をしました。
各地番に対応した取得価格を公開しているのは12県(青森県、宮城県、群馬県、神奈川県、富山県、福井県、長野県、三重県、徳島県、佐賀県、鹿児島県、沖縄県)と4市(さいたま市、千葉市、神戸市、福岡市)で、昨年土地開発公社で調査した際の5県3市よりも増えました。この結果は昨年よりも基準を厳しく評価した上での結果ですので、透明度は上がっていると言えます。しかし、債務超過額ワースト3の北海道住宅供給公社、千葉県住宅供給公社、長崎県住宅供給公社が取得価格を公開するグループに入ってないのはやはり問題です。
利息については29都道府県と10政令市は事業毎の利息を公開しています。北海道住宅供給公社、千葉県住宅供給公社も事業毎の利息を公開していますが、長崎県住宅供給公社では事業毎の詳細な利息を知ることができません。土地開発公社で調査した昨年よりも公開した都道府県数が少ない(昨年は37府県)のは、先に述べたように、2002年度以降の経理基準の見直しで、保有土地を積算価格ではなく実勢価格で評価している自治体が増えたためであろうと思われます。
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(6) |
捜査報償費 |
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@ |
調査の対象と趣旨 |
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捜査報償費についてはこれまでほぼ情報の全面非公開の状態が続いています。その一方で2003年に発火した北海道警の裏金疑惑を皮切りに、群馬県警、京都府警、高知県警、福岡県警、愛媛県警等で次々と捜査報償費を財源とした裏金つくりの疑惑が指摘され、捜査報償費が組織的に裏金作りにまわされている、という疑惑は全国の県警に対して広がっています。一方、北海道警、愛媛県警、福岡県警を除く各県警は捜査報償費の「不適切」な支出すら否定していますが、そうであるなら、できるかぎり捜査報償費の情報を公開し、市民の理解を求めることが必要な筈です。ところが、各地の県警は情報をほとんど公開しない、という頑なな態度をとり続けているように見えます。
このような疑惑の渦中にある捜査報償費の情報公開に対する県警の態度は、自治体の情報公開度を判定する重要な要素と言えます。疑惑に応えようとしない情報公開制度などは情報公開の名に値しないからです。かかる理由で今回は県警本部長宛に2000年度分と2003年度分の警察本部少年課及び交通指導課の捜査報償費関連文書(財務会計帳票および支出証拠書類)を、2003年度についてはこれに加えて、同課の捜査諸雑費関連文書の公開請求をし、公開度の判定をしました。
このうち、捜査報償費とは、捜査のために協力者に渡す謝礼や各種経費に充てる費用、と説明されるものですが、2001年度以降、捜査関係に用いた少額の費用に充てるものとして設けられたものが捜査諸雑費です。したがって2003年度についてはその両者の関係文書の公開請求をしよう、というものです。
また、県警文書の公開請求は、都道府県の情報公開窓口ではなく、県警本部や警察署でしなければならない、という運用が多いというのが実情です。その場合、情報公開請求の度に警察署の入り口で氏名、用務先を書かされることが多いのですが、これが公開請求に対する抑止的な効果を与えていることも考えられます。そこで今回は公開請求にあたって氏名等の記載を求められたか否かについても各請求者に対してアンケート調査をしました。
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A |
評価の基準 |
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各年度を15ポイントとし、摘要欄の記載(どのような経費として支出したのか)が分かる場合には9ポイントを、金額について日毎の金額が分かる場合を6ポイントとし、以下月ごとの場合は2ポイント、年間支出額しかわからない場合を1ポイントと評価しました。
実際に裏金として渡されていたかどうかについては、交付した相手方の氏名がわかることが必要になってきますが、そのような運用をしている県警は一つもなかったため、相手方の氏名については評価項目からはずしました。
なお、福岡県警は11月の請求に対して決定を3月29日まで延長してきました。4ヶ月も延長する合理性はまったくありません。そこで今回は0点評価をしました。その一方で沖縄県警については私たちの請求が2月18日にずれ込んでしまったため、公開決定が4月4日まで延ばされました。しかしこれについては他の県警に対して行ったように、11月29日に請求していれば資料入手が可能になったはずですので、2004年4月8日付で沖縄県警に対して請求した、2002年1月?2004年3月までの本庁捜査一課の捜査報償費の公開結果を基準に評価しました。
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B |
透明度 |
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@) |
全体の状況 |
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予想したとおり、一言で言えば情報公開の名に値しない結果になりました。摘要欄を公開したのは2000年度の北海道警の捜査報償費だけ、日毎の捜査報償費の支出額がわかったのも2000年度の北海道警の捜査報償費だけでした。その北海道警も2003年度については捜査報償費の年額しか公開しない、という有様です。
「不適正」支出を認めた北海道警ですらこれですから、他の県警の情報公開度の低さは際だっています。月ごとの捜査報償費額を公開した県警は2000年度分については18、年額のみ公開したのは5、北海道を除く残りの23は情報公開条例の対象ではないことを理由に非公開でした。2003年度では宮城県だけが月ごとの捜査報償費を公開し、鳥取県、高知県、長崎県は全面非公開という結果でした。鳥取県は2004年4月の情報公開請求(本庁捜査一課の2002年4月?2004年3月までの捜査報償費)に対しては、年額程度は公開していたのに、今回の請求に対して全面非公開とするのは理解に苦しみます。
非公開の理由はいずれも捜査活動に支障が生じるおそれがあると認められる、という点にあります。しかし、過去の年度において、日毎の支出額がわかることが何故捜査活動に支障を生じるおそれに結びつくのか、到底理解できません。
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A) |
北海道警の「公開」をどうみるか |
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2000年度の捜査報償費の摘要欄と日別の支出額を公開した北海道警は全額を不適切支出と認めた訳ではありません。北海道警の説明を前提とすれば、適切に支出されたものと不適切に支出されたものとが混在する、ということになります。つまり、適切に支出されたものがある、という前提で日別の支出額や摘要欄を公開したということは、日別の支出額や摘要欄を公開しても捜査活動に支障を生ずるものではないことを認めたと言えます。現に北海道警が公開した文書を見ても、おおよそこれらの情報の公開がなぜ捜査活動への支障に結びつくか、理解不能というほかありません。
全支出が「不適切」支出であることを認めていない北海道警が捜査報償費の摘要欄と日別の支出額を公開した、ということは、捜査報償費の摘要欄や金額欄を非公開とすることの不合理さを示す有効な証拠と思われます。
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C |
情報公開請求と請求者のプライバシー |
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多くの県警本部では、入り口で氏名、用務先の記載を求められます。情報公開請求に際しても名前を書かされることは、警察情報の公開や閲覧に際して、請求者は自分の情報を引き替えにしないといけないことになります。警察の情報公開請求へのハードルになっています。そこで今回は、警察への情報公開請求をするにあたって、名前を書かされたか否かについて調査をしました*注。その結果、北海道、青森県、宮城県、茨城県、栃木県(一階に窓口があるため)、石川県、岐阜県、静岡県、滋賀県、京都府、和歌山県、鳥取県(但し名字は聞かれた)、岡山県、山口県、佐賀県、大分県では氏名の記載を求められず、神奈川県、山梨県では県の情報公開センターで県警情報の公開請求を受け付けているため、知事部局の情報公開請求と同様の公開請求ができました。
*注 市民オンブズマンによる調査ができなかった県警には、後日電話で聞き取り調査を行いました。その結果、福島県(県警本部とは別の建物内に窓口がある)、新潟県、富山県、三重県、広島県では氏名の記載を求められず、群馬県、長野県では県の情報公開センターで請求を受け付けている旨の回答がありました。
警備上の理由から、県警本部へ立ち入る度に氏名の申告が必要だとしても、情報公開に赴いた場合についても氏名の記載を求めることは、請求を萎縮させます。神奈川県、山梨県が実施しているように、県の情報公開センターで県警情報の公開請求を認めることがもっとも適切な方法であると考えます。
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(7) |
制度運用 |
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コピー代が安価であることが充実した情報公開制度には不可欠という観点から、一枚10円までのコピー代を徴収する場合には満点の30点、21円以上のコピー代を徴収するところは一律0点としました。都道府県では21円以上を徴収する自治体はありません。
政令市では全自治体がコピー代を10円としました。また昨年、コピー代を1枚10円とする地方自治体は35自治体で、東京、山梨、新潟、兵庫、広島、島根、香川、福岡、長崎、熊本、鹿児島、宮崎の12自治体が20円を徴収していましたが、今年20円を徴収している自治体は東京都、山梨県、広島県、香川県、福岡県の1都4県となりました。福岡を除く九州がすべて10円になったことは明るい話題です。
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(8) |
失格について |
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閲覧手数料を徴収する自治体は例年同様、失格としました。都道府県、政令市での失格は東京都だけです。 |
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5.まとめ |
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毎年のことながら、評価基準がかわっても情報公開度の高い自治体は常に上位にいます。同様に、公開度の低い福岡県などは最下位が定位置になりそうです。一昨年来九州地方の公開度の低さを指摘してきましたが、福岡県がその象徴の地位にある一方で、今回は佐賀県がベスト5入りしてきました。九州の他の地方の首長さんもぜひ福岡県ではなく、佐賀県を見習ってほしいものです。
情報公開制度を充実させることは、市民の意思を行政に取り入れるための出発点です。市民意思を雑音とみるところほど、情報公開制度に敵対的です。今回は議会と県警にその傾向がはっきり現れました。この二つが自治体の情報公開で最も遅れている部署です。市民、県民の一切の批判を許さない非公開体質は、短期的には円滑な行政運営に資するかもしれません。しかし、組織内に市民の常識が入り込まないことは、自浄作用をも窒息させ、内部から組織を崩壊させてしまうのではないでしょうか。このことは議会の会派に対しても、県警に対しても共通して言えることです。政務調査費についての札幌高裁の判決と北海道警の裏金作りの告発。昨年2004年に、北の大地で起こったこれらの二つの事件は、いかなる行政機関といえども、情報の非公開の手法がもはや通用しないことを暗示するのではないでしょうか。
さて、今年も第一次調査の結果を各自治体の情報公開担当者の方に送付し、それぞれの自治体の方々から寄せられた意見も参考にしながらランキングを作成しました。今回の調査では50通を越えるファックスでの申し出が寄せられました。今年も意見の採否と理由については原則としてすべての意見に文書でご返事をしてきましたが、そのすべてを本コメントでふれることはできませんでした。その点をお詫びするとともにご意見をお寄せくださったことに感謝致します。
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以上 |
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【 番外編1 】 コピー用紙価格比較〔参考資料1-2〕 |
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※資料1自治体2004年入札A4コピー用紙価格一覧 |
※資料2中央省庁2003〜2004A4コピー用紙予定価格情報公開結果一覧 |
今回2004年購入のコピー用紙の予定価格をランキングの対象にしましたが、その副産物として各自治体がいくらでコピー用紙を購入しているかが判明しました。これらを踏まえ、コピー用紙の契約について気づいた点をレポートします。 |
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最も安く購入している自治体、最も高い自治体 |
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A4コピー用紙2,500枚当たりの単価を調査してみましたが、今回調査中最安値は福島県で、2,500枚を944円で契約しています。反対に、最も高いのは徳島県の2,285.7円で、約2倍半の開きがあります。なお、自治体の平均購入価格は1,264円でした。
昨年度調査で最も高額なコピー用紙を購入していた和歌山市(3,300円)は、地元市民オンブズマンの指摘を受け、初めて競争入札を実施した結果、1,480円まで単価が下がりました。コピー用紙購入にかかる削減効果額は約1,800万円になるとの見通しが伝えられています。
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A4コピー用紙 安値自治体 |
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A4コピー用紙 高値自治体 |
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1位 |
福島県 |
944 |
1位 |
徳島県 |
2,285.7 |
2位 |
高知県 |
955 |
2位 |
山梨県 |
1,950 |
3位 |
岩手県 |
970 |
3位 |
群馬県 |
1,800 |
4位 |
長野県 |
1,000 |
4位 |
和歌山県 |
1,680 |
5位 |
岡山県 |
1,027 |
5位 |
沖縄県 |
1,640 |
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注)2,500枚当たり単価(円) 税抜き |
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中央省庁のコピー代調査 |
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今回、ランキング調査と同様に、中央省庁に対しても2003年・04年購入のA4コピー用紙の予定価格と落札価格の調査を行いました。予定価格を開示したのは外務省、文部科学省、防衛施設庁のみ、価格は経済産業省の965円が最安で、最も高額は内閣府で1,223円と、自治体と比較して安価でした。国の予定価格に関しては平成10年3月31日の大蔵省主計局長通知『国の契約に係る予定価格の事後公表について』で「他の契約の予定価格を類推させるおそれがないと認められるもの」については予定価格の事後公表を行うこととなっております。省庁ごとに予定価格事後公表について取扱いが異なるのは興味深いです。 |
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まとめ |
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価格カルテルや談合が行われているかどうかはともかくとして、自治体は数万箱単位で紙を購入しています。1箱あたりの落札額が入札によって下がれば、全庁当たりで見れば数百万円単位の節約につながります。また、物品の予定価格を設定する際には、他県の状況を把握して設定すべきです。 |
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【 番外編2 】 警察官制服落札率調査について〔参考資料3〕 |
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※資料3警察制服落札率調査2004年入札分(PDFファイル) |
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今回2004年購入の警察官の制服の予定価格をランキングの対象にしましたが、その副産物として「落札率(落札額を予定価格で割った割合)」が判明しました。予定価格が判明した23府県警(物品ごとの予定価格が分からない県警も含む)に関し気づいた点をレポートします。
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福島・栃木県警 落札100%が7割以上! |
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調査を行った結果、23府県警中16県警で平均落札率98%以上という非常に高い落札率となっていました。特に注目すべきは落札率100%の多発です。福島県警の制服関係の入札38件中28件(73.7%)、栃木県警では17件中12件(70.6%)が落札率100%でした。これは県警ぐるみでの談合の疑いすらあります。
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◆ |
まとめ |
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落札率を下げる方法としては、市民オンブズマンは「誰でも参加でき、誰が参加しているか分からない」入札方式がよいと考えています。事実、工事の入札において郵便による一般競争入札を導入した宮城県や長野県では、平均落札率が80%近くまで下落しています。知事部局だけでなく、警察本部に関しても一般競争入札を導入する時期に来ていると思います。 |
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